飲食店の移転や引越しの流れと注意点について

飲食店の移転や引越しをする目的

飲食店を営んでいる方の中には、移転や引越しを検討している方もいると思います。飲食店を移転・引越しする目的は主に以下です。

より集客できる場所で営業するため

飲食店の集客は立地によって大きく変わります。どこに店舗をかまえるかによって売上が決まるといっても過言ではありません。そのため当初の予定とは違ってあまり集客が上手くいかなかった場合、新たにより良い場所へ店舗を移転・引越しする機会といえます。また、既に予約がいっぱいだったり集客が上手くいっている場合でも、より多くのお客さんに利用してもらうために広い店舗への移転・引越しをすることがあります。

リブランディングをするため

これまでのイメージを変えるために移転・引越しをするパターンもあります。例えばレストランとしてやっていた飲食店がカフェやバーに転換するといった場合は、リブランディングのために移転や引越しを検討するタイミングでしょう。メインの業態を変えると客層も変わるため、現在の立地が最適ではないこともあるからです。

飲食店の引越しの流れ

飲食店の移転や引越しをする時の流れは、以下のようになります。

移転先を探す

基本的には現在の店舗を営業している間に、移転先を探します。現在赤字で営業するばするほどコストがかかってしまう場合は、閉店を先にすることもあるでしょう。移転先は次の業態やブランディングに合わせた立地がどこなのかという視点から検討していきます。立地ごとの基本的な特徴は以下の通りです。

【立地の特徴】

繁華街商業施設が建ち並び、平日・休日問わず多くの人が集まってくる立地です。365日営業が可能で集客力が高いのが魅力ですが、その分賃料は高くなってしまいます。
オフィス街企業のオフィスが林立し、ビジネスパーソンが多い立地です。特に平日のランチは盛況で、テイクアウトや朝食の需要なども期待できる反面、休日の集客が難しい立地です。また基本的に都心部になるため、繁華街同様に賃料相場も高くなってしまいます。
住宅街落ち着いた環境が望め、隠れ家的な店や地域住民をターゲットにした店に適した立地です。基本的に主婦層や高齢者層が客層の中心となるため、それを見越したコンセプト設定が必須になります。
駅近最も人が集まりやすい好立地です。電車移動の方が多いため、アルコール需要も高いですが、その分賃料が高くなります。また物件取得時の競争率も激しいため、特に取得が難しいのも難点です。
商店街基本的に周辺住民がターゲットとなりますが、店独自の個性を打ち出すことで、商圏でないエリアからも集客できる可能性がある立地です。繁華街やオフィス街に比べると、賃料相場も安く、比較的出店しやすいのも魅力といえます。

お客様へ店舗移転の通知をする

移転先が決まったら、お得意先やお客様等に店舗移転の通知を行います。チラシや張り紙、メール、公式SNS、HPなど、周知の方法は様々です。これらのお知らせは移転が決定したら、なるべく早い段階で行うことで多くの人に認知してもらいやすくなります。

現店舗を閉店する

飲食店の移転では、1度閉店してから開業するというステップを踏むことになります。閉店する際は現店舗の貸主や管理会社に解約予告を行います。その後は原状回復やスケルトン工事に向けて業者を手配します。また、閉店に伴う手続きも忘れてはいけません。必要な手続きとしては以下のことがあります。

  • 税務署へ廃業届を提出する
  • 保健所へ廃業届を提出、食品営業許可証を返還する

新店舗の内装工事など開店準備をする

新店舗の開店に合わせて、内装工事などを進めていきましょう。閉店作業と開店作業が重なるととても忙しくなりますが、内装は集客に直結する大切なポイントですので、デザイン決めや業者選びなどは丁寧に行いましょう。

新店舗を開店する

閉店作業や開店準備が終わったら、いよいよ新店舗の開店となります。開店したらお得意先やお客様等にチラシ、メール、公式SNS、HPなどでお知らせしましょう。また、開店キャンペーンなどを実施するのもおすすめです。

飲食店の移転や引越しに伴う注意点

最後に、飲食店の移転や引越しの注意点について紹介します。

移転を慎重に見極める

店舗の移転は大変な作業です。もちろんコストもかかるので、移転自体を慎重に見極める必要があります。その分析ができていないと、移転後の売り上げも芳しくないという結果になりかねません。

お客様への通知を徹底する

店舗の移転には旧店舗の閉店と新店舗の開店が必要になります。これらのお知らせを既存のお客様や今後興味を持ってくれそうな層へしっかりと行うことが大切です。

移転のための届出をしっかりと提出する

移転に伴う届出はたくさんあります。例えば旧店舗の廃業届や新店舗の開業届などです。業態によってはよりたくさんの届出が必要になるので、漏れなく行うように注意しましょう。

まとめ

いかがでしたか。飲食店の移転や引越しの流れ、注意点などについて解説してきました。飲食店の移転はうまくいけば売上をのばし、ブランドイメージを刷新することに繋がります。多くの準備が必要ですが、もしも経営不振や業態の変化で店舗移転を考えている方は、ぜひ本記事で紹介した内容を参考にしてみてください。

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