店舗の移転に必要な手続きと費用
店舗を移転する際に必要な手続き
飲食店などの店舗を移転するには、多くの手続きが必要になります。
閉店時に必要な手続き
税務署
個人事業の開業・廃業等届出書の提出、給与支払事務所等廃止届出書の提出、所得税の青色申告の取りやめ届出書の提出、事業廃止届出書の提出
保健所
廃業届の提出、飲食店営業許可書の返却
日本年金機構
健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届の提出、雇用保険適用事業所廃止届出(事業主控)のコピーの提出
警察署
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書の廃止届の提出、風俗営業の返納理由書の提出
※風俗営業の許可を得ている場合は風俗営業の営業許可書の返却
消防署
防火管理者解任届出書の提出
公共職業安定所
雇用保険適用事業所廃止届の提出、雇用保険被保険者資格喪失届の提出、雇用保険被保険者離職証明書の提出
労働基準監督署
労働保険確定保険料申告書の提出
開店時に必要な手続き
税務署
開業届の提出
保健所
開業届の提出、飲食店営業許可書の申請
警察署
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書の提出
消防署
防火管理者選任届出書、防火対象物設備使用開始届書などの提出
店舗の移転に必要な費用目安
店舗の移転では、主に以下の項目に費用がかかります。どれくらいかかるかは、店舗の大きさ、立地、従業員の人数に応じて全く変わりますが、基本的に1000万程度はかかるとされています。
閉店時
- 解約予告期間分の賃料や水道光熱費
- 原状回復工事の費用
- 廃棄物の処理費用
- リース契約の途中解約違約金
- 従業員の給料や解雇手当
開店時
- 物件取得費（保証金・礼金・仲介手数料・前賃料など）
- 店舗設備費（内外装工事費・看板施工費・店舗クリーニング費など）
- 宣伝広告費
- 初期仕入れ費用
- 運転資金
店舗を移転する時の注意点
店舗を移転する時にいくつかの注意点があります。これらを意識していないと、移転時に予想外のコストがかかったり、移転の効果が薄れることになりかねません。
なるべく費用の少ない方法で閉店・開店する
閉店や開店時のコストはなるべく抑えるようにしましょう。たとえば、大きなコストがかかることとして閉店時の原状回復工事や、開店時の内装工事などがあります。これらは、居抜き物件にしてしまえば原状回復のコストを最小限に抑えることが可能ですし、内装工事も工法を工夫することでかかるコストや時間を大幅に減らすことができます。『こんな新店舗にしたい！』という目標はあるかと思いますが、それだけではなく、いかにコストを抑えつつ理想を実現するかという視点も大切にしましょう。
同業種の実績がある引越し業者に依頼する
店舗の移転では、厨房機器などの様々な設備を運搬する必要があります。これらの運搬や設置には特別なノウハウが必要なので、一般的な引越し業者に依頼するのはおすすめしません。できれば同業種の移転の実績がある引越し業者を選ぶようにしましょう。こうした業者を選ぶと、設備の運搬だけでなく設置や一時保管といったサービスをつけてもらえる可能性があります。移転の忙しい時期に自分たちでやる作業負担を減らせるのでおすすめです。
新店舗周辺のお店と関係性を作っておく
新店舗へ完全に移転する前から、周辺のお店との関係を作っておくようにしましょう。周囲の店舗からすれば移転する店はライバルなので、挨拶まわり等をして良好な関係性を作っておくことはとても大切です。特に商店街などのエリアでは最初のあいさつ回りは必須といえます。周りのお店から良い印象をもたれた状態で開店できれば、良いスタートダッシュがきれるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。店舗を移転するには多くの手続きや費用が必要になってきます。新店舗の経営を軌道にのせるためにも、これらの手続きや作業のコストを抑えて行うことが大切です。また、移転に伴う引越しはなるべく同業種の移転の実績がある業者を選ぶようにしましょう。あいさつ回りなど、開店後の周辺店舗との関係を良くするための努力も忘れてはいけません。店舗の移転を検討している方は、ぜひ本記事で紹介した内容を参考にしてみてください。
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