お店の閉店時にやるべきことまとめ
お店の閉店、何から始めたらいい?閉店時にやるべきことをまとめました。
お店の閉店
さまざまな理由からお店を閉店することになる場合があります。また店舗を移転する際にも今のお店は一度閉店の手続きをする必要があります。各種届出書類があったり、物件の解約、備品の処分などやるべきことが多くあります。
具体的にどのようなことから始めるのかを把握してトラブルなどがおきないようにスムーズな手続きをおこないましょう。店舗を閉店する際に必要なことや費用の内訳などについて解説します。
お店の閉店までの流れ
閉店までにはどのような流れがあるのかを理解しておきましょう。
店舗物件の解約
閉店が決まったら、店舗物件の解約を済ませます。物件の解約日までは家賃の支払いが発生します。賃貸借契約書には退去日より数か月前までの申請が決められている場合がほとんどです。契約書などを確認したうえ、決められた期間までに物件の解約を申請しましょう。
従業員への通知
スタッフを雇っている場合は、閉店の30日以上前までに解雇を通知する必要があります。解雇予告期間が30日に満たないと解雇予告手当といった、事前の解雇予告の代わりに支払うべきお金が発生します。
取引先への閉店通知
取引先へ閉店をお知らせする理由には、仕入れ先からの納入をストップさせることがあげられます。
各種届け出
保健所
閉店する際は、保健所に廃業届を提出する必要があります。営業をしなくなった日から10日以内に届け出るよう義務付けられています。
警察署
深夜にお酒を提供していた店舗は、廃業した日から10日以内に廃止届出書を届け出なければなりません。
消防署
閉店時には防火管理者解任届の提出が必要です。
税務署
個人事業の開業、廃業等届出書 : 個人事業の場合は廃業日から1ヵ月以内に提出です。給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出 : 従業員や専従者がいた場合、営業停止日から1ヵ月以内に提出となっています。消費税の事業廃止届出書 : 消費税など課税事業者の場合、速やかに提出してください。青色申告の取りやめ届出書 : 青色申告で確定申告を行っている場合、取りやめようとする年の翌年3月15日までに忘れずに提出するようにしましょう。
労働基準監督署
労働保険に加入していた場合には労働保険確定保険料申告書の届け出が必要です。営業終了日から50日以内に提出が義務付けられています。
日本年金機構
健康保険や雇用保険に加入していた場合には、健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届と雇用保険適用事業書廃止届の事業主控えのコピーが必要です。提出期限は廃業日から5日以内となっています。
ハローワーク
雇用保険に加入していた場合は、雇用保険被保険者資格喪失届、雇用保険被保険者離職証明書、雇用保険適用事業所廃止届、の書類の届け出が必要です。
店内の備品の処分
厨房機器や食器類、家具類などの店舗設備を、処分、または売りに出すことをします。廃棄する場合は費用が発生しますが、厨房機器・中古品の専門業者やリサイクル業者の買取、無償での引き取りが可能な場合があります。厨房機器がリースの場合には残りのリース料や違約金を支払っておきましょう。
原状回復工事
閉店時にやるべきことの中で一番費用がかかるものが原状回復費用です。原状回復の範囲は契約内容によって異なりますが、スケルトンの状態にまで戻すのが一般的です。スケルトン工事の費用は、使用状況や内装の状態、店舗の広さなど条件によって異なりますが、坪10万円以上といわれています。
閉店コストを見積り
閉店には意外に費用がかかります。賃貸契約書やリース契約書などを参考に閉店コストを見積もっておくことも重要な作業のひとつです。
原状回復工事費
店舗の立地や、建物の構造によっても費用は大きく変わりますが、自店舗の状態を考慮して計算しておきましょう。一般的に坪あたり数万円から10万円程度かかることが多くみられます。廃棄物の処分は、原状回復を担当する工事業者が引き受けてくれる場合がほとんどですが、処理費用も計算しておくと安心です。
解約予告期間分の賃料
営業終了後の解約予告期間内の賃料の支払いがどれくらいなのかを把握しておきましょう。
水道・光熱費、リース料、中途解約違約金
リース契約のものがある場合には、中途解約ができるかどうか、残りの期間のリース料や、中途解約違約金の額などについてもあらかじめ調べておきましょう。また、退去するまでの水道代や光熱費の計算もわすれてはいけません。
解雇予告手当やスタッフへの給料
急な閉店で、スタッフを解雇することになり、30日の猶予がなかった場合には、少なくとも30日分の平均賃金の支払いが生じます。それらも考慮したうえで、閉店が決まったらできるだけ早くスタッフへ通達しておくといいでしょう。
コスト削減に有効な方法
上記でみてきたように、閉店するにもさまざまな費用が発生します。中でも大きな割合を占めるのが原状回復工事といえるでしょう。
そこで、閉店費用節約のために活用したいのが、居抜きや造作譲渡での店舗売却です。もちろん、オーナーへの相談や承諾が必要となるため、居抜き店舗の専門業者に物件貸主、所有者や管理会社に了承を取る交渉を任せられると安心です。
居抜きもしくは、造作譲渡において了承が得られた場合には、店舗内の各種設備の点検などを含め店内を清掃して清潔な状態にしておきましょう。また内見を希望があれば、速やかに対応することが重要です。
まとめ
飲食店を廃業するためには、開業時と同じようにさまざまなの届出が必要となります。原状回復工事も含め3か月程度の期間をみておく必要があります。
細かいところまでスケジュールを組み、余裕をもって行動することをおすすめします。届出書や申請書の用紙はインターネットで入手できるものが多いので、早めの準備が大切です。
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