その店舗移転、本当に大丈夫?メリットとデメリット

店舗の移転を検討しているなら、メリットとデメリットを理解しておきましょう。

店舗を移転する理由

現在の店舗を移転し、新たな場所で事業を始める機会があることにはどのような理由があるのでしょうか。飲食店の場合、店舗の移転には下記の理由が考えられます。

売上アップ

移転することによる売り上げのアップを理由としたものです。

飲食店における売り上げの伸び悩みは、運転資金不足に陥ることになり業績不振から閉店に追い込まれてしまう場合が多くみられます。当初考えていたよりも集客がうまくいかず、最初こそ好調であったにもかかわらず、徐々に経営が苦しくなりお店を続けていくだけの資金がなくなってしまうことにあります。

運転資金が不足するような状況のなかで、月々の料金の不払いや支払い遅延などには注意が必要です。これらの行為は、次のお店を開く際の妨げになってしまう可能性があり、ブラックリストにのってしまうこともあり得ます。

さまざまな支払いが厳しいという状況になったときに移転などによる売り上げアップを考えることが多いようです。

業種の変更

食には流行がみられ、世の中のニーズが流行によって変化する現象がみられます。需要がへってしまったものに関しては、お店を続けていても集客にはつながりにくくなるものです。

そこで業態を変更するために店舗の移転を検討する場合があります。

業種に合った地域性や物件、ターゲットを考慮したときに、現店舗のある場所に不安があるときには移転とともに心機一転、新たな気持ちで経営を始めることを考えることがあります。

事業拡大

好調な経営が続く場合でも、移転を検討するというのがこの事業拡大によるものです。常に混みあった店内で、席が足りないと感じ店舗の拡張のための前向きな移転です。飲食店移転の理由で一番多くみられるのがこの拡張移転だと考えられます。

顧客がつき、売上が安定してくるとそこから徐々にお客さんが増えていくと、ランチの時や夕方の時間などに席に案内できないようなことが起こり始めるかもしれません。予約をとりきれなくなったりし始めるころには事業を拡大するサインと思われます。

規模縮小

上記の事業拡大と相反する移転理由として、店舗の規模を縮小するための店舗移転があります。こちらは、業績悪化によるものが一番の原因と考えられます。

業績悪化にはスタッフの人手不足があげられますが、それは多くの悪い循環をうみだしてしまいます。スタッフの過剰な労働による料理の質が落ちてしまったり、テーブルへの対応が追い付かなくなったりすることが起こります。

それらは、店舗の評判を落としてしまい、お客さんが離れていくだけでなく、スタッフの離職にもつながってしまうのです。店舗の規模に合うスタッフの人数を考えなくてはいけません。このようなことから事業の縮小によって経営を改善することを目的とした移転があります。

定期契約期間の終了

現在の店舗の物件が定期借家契約の期限となり、立ち退かなければならないといったパターンの場合があります。契約の延長も可能ですが、この機会に移転を考えるという理由もあります。

飲食店移転のメリット

売上アップ

人気メニューがあり、そこそこ集客があるという場合には、より良いロケーションに移転することで、さらに新しい客層を獲得することが可能となります。

ターゲットを見直し、地域に合った移転は集客による売り上げアップにつながります。飲食店においての立地は、今までよりも通行量が多いエリアに移転するだけでも売り上げを左右するほど大きな影響があります。広告や看板などで、店舗を認知してもらう方法よりも確実な方法ともいえます。

経営状況の改善

移転の際により良い設備を導入する場合には、作業の効率化につながりスタッフの意識も変わることが考えられます。よい環境で働くことで、気持ちにも余裕がうまれ、しっかりとしたサービスをおこなうことができます。

ブランドをリフレッシュすることができる

今までの店舗からのブランドイメージをリフレッシュすることができます。新しい店舗の内装デザインやインテリアに流行を取り入れることで、店舗のアップデートだけでなく、集客にもつなげることが可能となります。

移転することで、新しいデザインや装飾を施すことができるため、店舗のイメージを一新することができます。

収入を絶やすことがない

店舗移転の予算に余裕がある場合には、閉店と新しい店舗の準備を同時におこなうことで収入が途絶える心配もありません。現店舗での営業を続けながら新店舗が開店できるようになったら移転をすることも可能です。しかしながら家賃など月々かかる費用などが、二重となってしまうため注意が必要です。

飲食店移転のデメリット

手間がかかる

移転には、店舗の移転先を探したり、新しい店舗を準備したりするための時間と手間がかかります。また、移転する際には、引っ越し作業や店舗の準備などにも時間をとられるでしょう。

コストがかかる

新しい店舗を準備するために、内装デザインや新しい設備に費用がかかる場合があります。今の設備をそのまま使用する場合でも運搬費や設置費などがあります。

特に厨房機器などは重く自身で搬入などすることは危険な作業となる場合もあるため必ず専門の業者に依頼するようにしましょう。

売り上げがさがることもある

移転することは必ずしも売り上げにつながるとは限りません。新しい場所での集客や、新店舗での環境などからの問題が発生することも考慮する必要があります。

以前の顧客が足を運んでくれるといった確約もなく、スタッフも不慣れな場合、新店舗が完全に整っていない期間はサービスや品質が一時的に低下することもあるということを覚えておかなくてはいけません。

その店舗移転本当に大丈夫?飲食店の移転で重要なポイント

店舗の移転ではどのようなポイントをおさえておくべきなのでしょうか。

移転先

飲食店の移転で最も重要なポイントは移転先です。場所や環境によって集客に大きな差がでることとなり、それらが直接的に売り上げに関わってきます。

ターゲットや立地、業種によってニーズはさまざまです。それらをあらかじめ、マーケティングによって理解しておくことがポイントといえます。

移転先の候補をいくつか絞ったうえ、自身の目と足を使って調査することで競合店なども把握することができます。

設備の導入

移転をきっかけに、今までよりも良い設備や最新の機器などを導入してみることも大切です。時短効果があったり、今までおこなっていた作業を自動でできるようになったりと作業の効率化にもつなげることができます。そこで働く人たちにとってよい環境であることは、パフォーマンスがあがり、売り上げにつなげることができます。

プロに相談

移転先の物件探しや、設備の導入などに詳しいプロに相談、依頼する方法です。こちらの手間が省けるだけでなく、専門的な知識と情報からおすすめの物件や機器などを紹介してくれます。費用はかかりますが、物件探しから内装工事、厨房機器の運搬までを任せることができるといったメリットがあります。

まとめ

店舗の移転には、メリットもあればデメリットもあります。時間や費用がかかることなので、いまの店舗の状況を考慮したうえで、慎重に検討をすることをおすすめします。

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