業務用冷蔵庫の処分方法
業務用冷蔵庫の処分にはさまざまな方法があります。
業務用冷蔵庫の特徴
飲食店などで使用されている業務用冷蔵庫は大容量で多くの食材を保管しておくことができ、重量もある大きなサイズ感が特徴です。家庭用冷蔵庫との一番の違いは、搭載されているコンプレッサーの出力の違いです。飲食店ではランチやディナーなどの忙しい時間帯には頻繁にドアを開閉することになります。
一般の家庭用冷蔵庫であれば、冷気が外部へ逃げて庫内の温度が上昇しやすくなってしまいます。しかし業務用冷蔵庫はは強力なコンプレッサーを積んでおり、庫内を急激に冷却することが可能なため、冷たい温度を保ちやすくなっています。
業務用冷蔵庫とフロンの関係
そのような業務用冷蔵庫には、冷媒、フロンが使われており冷暖房装置や冷凍冷蔵装置で重要な役割を果たしています。冷媒は気化熱と凝縮熱という働きを利用して、熱を運ぶ役割をしています。その冷媒として使われているフロンは常温常圧では気体の物質ですが、圧力をかけ熱を放出させると液体となります。
液体から気体に変わるときに、まわりの熱をうばって温度を下げる働きをもっているため、冷蔵庫やエアコンには欠かせないものとなっています。
フロンそのものは身体に悪い影響を与えることはありません。しかしフロンを回収しないで冷蔵庫やエアコンを廃棄すると、フロンがゆっくりと抜けていきます。そして、15年~20年ほどかけてゆっくりと大気中を上昇し、オゾン層を破壊してしまうのです。
また、フロンは地球温暖化係数が高く、強力な温室効果ガスとして地球を覆ってしまいます。オゾン層はフロンガスによって壊されると薄くなっていき、太陽からの有害な紫外線量が増えて、ひとの健康や生態系への悪影響が増加します。そのため、それらフロンガスを使用している業務用冷蔵庫などはフロンガスを大気中に放出しないよう適切な処分方法がきめられているのです。
業務用冷蔵庫の冷媒はフロンガスとノンフロンガスに分けられます。廃棄予定の業務用冷蔵庫がフロンガス使用機器かを調べるには、冷蔵庫に貼られているシールを確認するとわかります。
業務用冷蔵庫の処分方法
飲食店などを経営していると冷蔵庫の買い替えなどで古い業務用冷蔵庫を処分しなくてはいけない機会などがあるでしょう。業務用冷蔵庫はフロンガスを使用している場合が多いため、家庭用の冷蔵庫とは処分の方法が異なり、正しい方法で処分する必要があります。
家電リサイクル法の対象にはならない
家電リサイクル法の対象となる冷蔵庫は一般的な家庭用冷蔵庫のみです。業務用冷蔵庫は家電リサイクル法の対象外であり、産業廃棄物として専門の業者に処分を依頼する必要があります。業務で使用したものは、サイズに関係なく、横型、縦型、ショーケースなどの種類を問わず全て業務用冷蔵庫として分類され、産業廃棄物として扱われることになります。
産業廃棄物収集運搬業の許可を持った業者に依頼する
業務用冷蔵庫は、産業廃棄物収集運搬業の許可を得ている業者に依頼して、処分することになります。産業廃棄物収集運搬業許可を取得していない業者に依頼した場合、罰則が科されることがあるため十分に注意しましょう。
都道府県のホームページで産業廃棄物収集運搬業者名簿などの公開があったり、各業者のホームページに許可番号とともに取得済みの許可が掲載されている場合もあります。業務用冷蔵庫の廃棄に必要な許可を取得している業者かを必ず確認するようにしましょう。
フロンガス使用の冷蔵庫の場合も専門業者へ依頼
フロンガスを使用している業務用冷蔵庫は、より専門的な業者への依頼が必要です。フロンガスはオゾン層を破壊する恐れがあり、フロン回収・破壊法で回収方法が定められています。第一種フロン類回収業者の許可を得ている業者に限り、フロン使用製品の回収が認められています。
フロンガス使用の業務用冷蔵庫は、産業廃棄物収集運搬業と第一種フロン類回収業者の許可を得ている業者に依頼して処分してもらいましょう。
販売店に引き取ってもらう
新しい業務用冷蔵庫を購入するなら、販売店に古いものを引き取ってもらえる場合があります。下取りしてもらえるなら購入金額を安くすませることができますので、販売店に確認してみてください。
業務用機器専門の買取業者に依頼する
まだ使用できる業務用冷蔵庫は、買取してもらえる可能性があります。業務用冷蔵庫や業務用の家電は、買取金額が付く場合が多いのでまずは買取業者に相談してみるといいでしょう。
一般消費者向けのリサイクルショップでも売れることがありますが、専門的な知識を持ったスタッフがいるほうが適切な価格で買取してもらえる可能性があるため、業務用製品を専門とした買取業者などに買取を依頼するのがおすすめです。
不用品買取業者に依頼する
不用品回収業者の中にも業務用の冷蔵庫の処分に対応している業者があります。不用品回収業者の場合は、無許可で回収している業者もいるのでしっかり調べる必要があります。
居抜き譲渡する
飲食店を閉店するために業務用冷蔵庫が不要になったのであれば、居抜き譲渡を検討しましょう。退去時に冷蔵庫などの設備を残したまま物件を売却することで付加価値をつけられるので、退去費用を抑えるだけでなく、売却価格を上げることにもつながります。
業務用冷蔵庫の処分費用相場
業務用冷蔵庫の処分費用の相場はどれくらいになるのかを把握しておきましょう。以下は一部の例となります。
産業廃棄物収集運搬業者
ノンフロンの場合 | 20,000円~40,000円 |
フロン使用の場合 | 50,000円~100,000円 |
不用品回収業者
コールドテーブルの場合 | 20,000円~30,000円 |
4枚扉の業務用冷蔵庫 | 30,000~50,000円 |
一般的な家庭用の冷蔵庫と違い、業務用冷蔵庫はサイズや容量が大きいため、搬出作業に人数が必要であったり、作業工程が増える傾向があるため、費用が高くなります。
処分にかかる費用を抑えるために、料金の安い業者に依頼する場合は注意が必要です。極端に安い業者では、適切な処理方法を行わなずに、不法投棄などおこなうなどの悪質な業者であることがあるからです。必要な許可を取得した業者であるかを確認したうえで、いくつかの業者に見積もりを依頼することをおすすめします。
まとめ
業務用冷蔵庫は適切な方法で処分する必要があります。許可を得ている業者に依頼するようにしましょう。また 業務用冷蔵庫は、中古市場でニーズが高いものです。まだ使用できる場合には、買取業者に相談してみることがおすすめといえます。
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